長期投資の成績を決める要素として資産配分=アセットアロケーションの重要性は多くの分析や実績から証明されています。どの銘柄を買うかなどの具体的な話の前に、そもそも株式なのか債券なのかなど、収益性の異なる金融資産にどう配分するかという話ですね。
特にセミリタイア状態では資産を取り崩して生活しているので、攻めたい気持ちを少し抑えて、いざという時に致命傷を負わない状態になっていることがとても大切です。
そこで今回は、現在のアセットアロケーションと取り崩しの計画について記載します。(2023年7月17日時点 金額は端数切り捨て)
アセットアロケーション
1.株式・ETF・投信
基本的にはキャピタルゲインを狙う長期枠、70%程度がコアとして運用しているVTI、VTなどのインデックス系ETFや投資信託。その他、新興国や金鉱株、短期の個別株や一部債券ETFなども。NISA枠をインデックス投信で埋めていくため、今後はコアの割合が増えていく見込み。(現状、若干散らかっている感はある)
2.債券
いわゆる生債券で米国債と米国社債。金利がピークだった23年秋から購入し、基本的には利金目当てで償還は20〜30年後の長期もの。利率を求めて社債の割合が高く、評価はシングルA以上で固めているものの、償還まで持ち切る前提だとやっぱりデフォルトは怖い。
3.暗号資産
ほぼBTCで短期売買はせず10年20年ガチホ予定の枠。もう少し買い増すかも。
4.現金・外貨MMF
最近現金化したポジションがあり若干多めの状態。当面の生活費と夫婦のNISA口座2つに回していく。
5.その他
少し特殊な商品で2〜3年以内に現金化予定。ボラティリティが高く上下1,000万くらいは動くので、いくらで現金化できるかは運否天賦。
(借入)
野村證券のWebローン、いわゆる証券担保ローンでの借入。基本的には利子だけ返済して長期で借り入れたまま運用していく予定。
全体としてはこんな感じです。不動産や太陽光などは持っておらずペーパーアセットのみです。なお、上記は夫婦の合算で妻の資産2,000万円弱も含まれています。(現状はほぼ現金、今後はNISAに回す予定)
債券が多いのは資産の形成期ではなく「取り崩し期」だからです。資産形成期であれば歴史的に見てもリターンの最大化を狙って株式に全振りでよいと思いますが、取り崩し期はそうも言っていられません。暴落時に株式を大きく取り崩す必要がないように、債券が結構入っていますね。
購入している商品自体は平凡だと思いますが、特徴的なのはWebローンの借入がある点でしょうか。こちらは活用方法など詳細を別途記事にしようと思っていますが、現状の金利1.5%であれば借り得と考えています。タイミングを見て上限の1億円まで借り切る予定です。なお、金利は変動金利です。日本の状況を鑑みて、ガシガシ金利を上げられる状態ではないので当面は大丈夫と高を括っていますが、もし上がったら、、、またその時に考えることとします。
インカムゲイン
上記の資産を踏まえて、インカムゲインの概算は以下となります。
・配当、分配金、利金=890万円(税引き前)
・配当、分配金、利金=712万円(税引き後)
・ローン返済=100万円
・手残り=612万円
ドルでの受け取りが多いので、現状の為替レートよりも若干円高の150円で試算しています。それ以上の円高になればその分、円換算は下がっていきます。
支出
家族:夫婦(子なし)
居住地:東京
住居:賃貸
年間支出:1,300万円
この数字は夫婦の共通の趣味である旅行や外食などを含めて、特に何の我慢もせずに使った場合の金額です。これ以下だったら死んじゃう!みたいな金額ではないので、暴落時などは変動費を調整して10〜15%程度は支出を削減する想定。この程度であれば日々の生活を楽しみながら調整できる範囲です。
また、現状は家賃にかなりの金額を割いていますが、これまで東京での生活が長く別の地域に住んでみたいという気持ちもあるので、どこかのタイミングで引っ越して固定費が下がるかもしれません。
取り崩し
上記の年間支出からインカムの手残りを引いた、取り崩し金額は以下となります。
・取り崩し金額=1,300-612=688万円
実際は含み益がある状態で取り崩すと税金が発生しますが、一旦は計算の単純化のため考慮しません。取り崩しは1の枠から行い、取り崩しの率を重要指標として管理していきます。例えば、現状は1の枠が約1,8億なので688万を取り崩した場合の取り崩し率は3.75%となります。
当面は手元の現金で生活費を賄いつつ、債券の利金の再投資や新NISA枠の活用など1への入金が続くため、実際の取り崩しの開始は数年後の予定です。仮に4年後に株価が今くらいの水準を維持していた場合、NISAを埋め切ったタイミングで1の枠が2億に到達する計算です。
重要指標である取り崩し率の目安は、過去の様々なデータや試算から長期的に資産が目減りしないであろう3.5%として、2億から688万を取り崩した場合は取り崩し率3.44%、2.2億からの取り崩しなら3.12%となり目安の範囲に収まります。
インフレや為替などの変数はありますが、概ねざっくりとこんな感じの計画です。
現金
暴落対策として最低でも2,500万円はキープします。目安としては1の枠からの取り崩しをせずに、インカムと現金の組み合わせだけで4〜5年は乗り切れる想定の数字になっています。株価が高値から何%下げている時は現金を取り崩す、などのルールや目安はある程度は作ってもよいかもしれません。初の現金出動は果たしていつになるのか。
その他
BTCは取り崩しの試算対象には入れておらず、完全にアップサイド枠です。10年20年後、毎年の旅行代はBTCの取り崩しで賄える状態になったら理想的です。
なお、上記の試算は仕事の収入が全く無い場合の試算ですが、実際は昨年は300万程度、今年は100〜150万程度のフリーランスの仕事からの収入があり、試算よりも現金の取り崩し金額は少なく済んでいます。
現状はこれまでの仕事の経験やスキルを活かして同じような仕事をしていますが、今後は「時間と場所に縛られない」という条件で、私のみの仕事、妻のみの仕事、夫婦の仕事の3パターンで色々と新しいチャレンジをしていく予定です。
稼ぐことを最上段の目的にするつもりはないですが、現在の資産と支出を鑑みると世帯収入で年間200万程度あるとかなり安心感のある状態になりそうです。時間的な猶予はあるので、好きな仕事をして数年以内にこの状態になっていたらいいなぁというイメージで取り組んでいく予定です。
まとめ
取り崩しの戦略、方針についてまとめると以下となります。
・株式からの取り崩しは年間3.5%以下とする
・暴落時は株式からの取り崩しをしない。(4〜5年は凌げる現金を確保)
・仕事の収入で取り崩し金額を少し下げる
インフレ、為替、税制改正、借入金利上昇など、様々な変数やリスクなどはありますが、大枠の計画は破綻していないものとして、あとは発生した問題に都度対処していくとしましょう。